南アフリカ共和国は、その多様性に満ちた文化、壮大な自然、そして複雑な歴史で知られる国です。
アフリカ大陸最南端に位置し、インド洋と大西洋に挟まれた美しい景観が広がるこの国は、数々の魅力的な観光地を抱えています。
しかし、その裏にはかつてのアパルトヘイト政策による闇があります。
本稿では、南アフリカ共和国の魅力的な観光地から歴史的な背景まで、この国の多様性と複雑さを探求していきます。
【要約】
- 南アフリカ共和国:多様性と歴史。
- 観光地:自然の美と文化の魅力。
- アパルトヘイト:過去と向き合う。
Contents
南アフリカ共和国ってどんな国?
南アフリカ共和国は、アフリカ大陸最南部に位置する共和制国家であり、通称南アフリカとして知られています。
国境を接する国は北東でエスワティニとモザンビーク、北でジンバブエとボツワナ、西でナミビアであり、内陸国レソトを囲んでいます。
北を除く三方は海に面し、アフリカ大陸最南端のアガラス岬を境に、東がインド洋であり、西が大西洋です。
南インド洋のプリンス・エドワード諸島も領有しています。
南アフリカはイギリス連邦の加盟国の一つであり、首都機能はプレトリア(行政府)、ケープタウン(立法府)、ブルームフォンテーン(司法府)に分散されていますが、各国の大使館はプレトリアに置かれており、国を代表する首都としてプレトリアが認識されています。
この国は黒人、白人、インド系など、多様な人種と民族が共存する多人種・多民族国家です。
かつてはアパルトヘイト政策により、白人が有色人種を差別・支配していました。
南アフリカの主な観光地
南アフリカには数多くの素晴らしい観光地があります。
その中でも人気のあるものには、ケープタウンのテーブルマウンテンやケープポイント、クルーガー国立公園でのサファリ体験、ジョーバーグのゴールドリーフシティ、ドラケンスバーグ山脈、そしてワイン地域のステレンボッシュなどがあります。
以下に主な観光地をご紹介します。
1:ケープタウン
南アフリカを訪れる人のほとんどが訪れるのはケープタウンです。
ケープタウンを含むケープ半島には、ヨーロッパ的な雰囲気が漂う魅力的な場所が数多くあります。
自然の見どころとしては、アフリカ大陸最南西端に位置する「喜望峰」やケープタウンの象徴である「テーブルマウンテン」があります。
また、色鮮やかな「ボカープ地区」や、アザラシが出迎えてくれる「ドイカー島」、可愛らしいアフリカペンギンのコロニーが広がる「ボルダーズビーチ」など、自然と動物の魅力を感じることができるスポットもあります。
2:ケープ半島
南アフリカの観光の中心であるケープタウンから南端まで広がるケープ半島には、数多くの観光スポットが点在しています。
日本人にも馴染み深い「喜望峰」や、ケープタウンから喜望峰までをつなぐ息を呑む絶景パノラマルート「チャップマンズピークドライブ」、間近でアフリカペンギンを観察することができる「ボルダーズビーチ」など、見どころ満載です。
また、ケープタウンからの日帰りツアーもたくさんありますので、ケープタウンに滞在する際は、必ずケープ半島も一緒に観光しましょう。
3:テーブルマウント
南アフリカを代表するランドマークとして広く知られるのがテーブルマウンテンです。
このテーブルマウンテンは「ケープ植物区保護地域群」の一部として世界遺産に登録されており、新・世界七不思議の自然版にも選ばれるスポットです。
頂上へのアクセスはハイキングも可能であり、トレッキングの愛好家にとっては楽園です。
しかし、登頂が困難な人のために1929年にロープウェイが完成し、より身近な存在となりました。
テーブルマウンテンは開通以来、約2,000万人もの人々が訪れています。
頂上にはエキゾチックな色彩のトカゲや、ハイラックスなどの動物、何十種類もの花が咲き乱れており、ケープタウンとは全く異なる景色が広がっています。
眼下に広がるケープタウンの街並みや広がる海の壮大さに圧倒されること間違いありません。
4: ボカープ地区
ケープタウン中心部からほど近いシグナルヒルのふもとに位置するボカープ地区は、カラフルな建物が並ぶ住宅街です。
かつては南アフリカへの奴隷として連れてこられた人々が住んでいましたが、解放後に住宅を購入できるようになり、解放の象徴として家々をカラフルに塗り替えたと言われています。
その景観と歴史的価値から、ボカープは世界遺産に認定されています。
ピンクやブルーなどのビビットな色彩から、おしゃれなストライプ模様の家まで、建物の色やデザインはさまざまです。
色を通じて自由を表現し、後世に伝えています。
地区内には、イスラム教を信仰するコミュニティやボカープ地区の歴史を紐解けるボカープ博物館(Bo-Kaap Museum)や、ケープ・マレー料理の文化を体験できるボカープ・フード&クラフト・マーケット(Bo-Kaap Food and Craft Market)もあります。
ボカープ地区のポップな色彩に魅了されながら、ケープタウンの歴史も学べる観光スポットです。
5:ライオンズヘッド
ライオンズヘッドは、ケープタウンの西に位置する標高669メートルの山です。
頂上からは、テーブルマウンテンから大西洋やケープタウンの街並みまで、一望できます。
切り立った岩場からの眺めは壮大で、息をのむほどです。
この山の名前は、17世紀に南アフリカに入植したオランダ人が、街の西部に連なる山々をライオンの頭とお尻に見立てたことに由来します。
ライオンのお尻部分は当時はライオンズランプと呼ばれていましたが、現在はシグナルヒルとして知られ、こちらは夕日スポットとして有名です。
ライオンズヘッドの山頂までは、約1時間半で登ることができ、ハイキングに挑戦するのがおすすめです。
なだらかなコースと、体全体を使うチャレンジングなコースの2つから選ぶことができます。
チャレンジングなコースには岩場やハシゴ、鎖場、岩に打たれた楔(くさび)を頼りに登る部分があり、しっかりとした準備が必要です。
どちらのコースを選んでも、素晴らしい景色が待っていますので、楽しみながら登ってみてください。
6:ボルダーズビーチ
ボルダーズビーチは、ケープタウン南西部に位置し、ケープペンギンたちが住むことから人気の観光スポットとなっています。
整備された遊歩道からは、砂浜をよちよち歩くペンギンたちを間近でじっくり観察することができます。
ケープペンギンは別名ジャッカス(雄ロバ)ペンギンとも呼ばれ、ロバに似た鳴き声が特徴です。
20数年前、あるつがいが流れ着き、その後徐々に数が増えていったことから、ボルダーズビーチ周辺にやってきました。
ケープペンギンが住宅地の近くに巣をつくるのは、他に例のない珍しいことだとされています。
しかし、ボルダーズビーチのケープペンギンたちは、繁殖地争いや環境汚染により、その数を維持することが難しくなっています。
現在、絶滅危惧種に指定されており、公園の管理事務所では人工巣箱を設置し、ペンギンたちが安全で快適な生活を送れるように努めています。
海岸沿いの遊歩道を歩く際に支払う保全料は、ケープペンギンたちの保護活動に役立てられています。
7: アパルトヘイト博物館
アパルトヘイト博物館は、ヨハネスブルグのダウンタウンに位置する歴史博物館です。
アパルトヘイトは、1948年から1994年まで続いた南アフリカの人種隔離政策で、公共交通機関や施設、レストランなどで白人と非白人を区別する差別的な政策でした。
この博物館では、南アフリカが経験した人種差別の歴史について学び、考えることができる貴重な場所です。
入場時に渡されるチケットは、ランダムに白人と非白人のものが配られ、それぞれ専用の入口に案内されます。
アパルトヘイト政策の実態を体験するような仕掛けに多くの人が驚くことでしょう。
特に人気なのは、アパルトヘイト政策の廃止に尽力したネルソン・マンデラの生涯に関する展示です。
その他にも、非白人であることを示す身分証明書や人種による施設利用の区別を示す標識などを見ることができます。
過去にあった差別を繰り返さないためにも、一度は訪れておくべき場所です。
南アフリカはどんな人におすすめの国?
南アフリカの歴史や観光地に興味がある人、文化や民族の多様性に関心がある人、またはアフリカ大陸の政治や社会に関する知識を深めたい人におすすめです。
また、「南アフリカの主な観光地」の内容は、南アフリカを旅行する際に役立つ情報が満載です。
南アフリカを訪れる予定の人や、南アフリカの自然や文化に興味がある人にとって役立つガイドとなるでしょう。
さらに、「アパルトヘイト博物館」の内容は、南アフリカの歴史や人権問題に関心がある人、社会的正義や人権教育に関心がある人、または人種差別の問題に取り組んでいる教育者や学生におすすめです。
この博物館を訪れることで、南アフリカが経験した歴史的な出来事について深く学ぶことができます。
【まとめ】
- 南アフリカ共和国:多様性と歴史。
- 観光地:自然の美と文化の魅力。
- アパルトヘイト:過去と向き合う。
南アフリカ共和国は、多様性に富み、自然の美と歴史的な観光地が魅力です。
しかし、過去のアパルトヘイト政策の影響も大きく、その歴史を知ることも重要です。
南アフリカを訪れる際は、美しい景色や文化だけでなく、歴史的な背景も理解し、人々の多様性と向き合うことが大切です。
【脚注】
最後まで記事を見て頂きありがとうございます。