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英語の『リンキング』5つの法則とは?音の『結合』『脱落』『同化』を詳しく解説!

多くの英語学習者は、英語の正しい発音を身につけることやネイティブの英語を聞き取ることに苦戦します。

英語の知識はあるのに英語の発音に自信が持てなかったり、ネイティブの英語が聞き取れなかったりするのは、「リンキング」の知識が不足していることが原因かもしれません。

そこでこの記事では、英語の「リンキング」について分かりやすく解説します。

【要約】

  1. 異なる単語の英語の音(アルファベット)同士が法則に基づいて繋がり、連結音として発音される
  2. リンキングを理解する事でスピーキング力、リスニング力が向上する
  3. 英語力に自信を持てるようになる

リンキングとは?

「リンキング」とは、異なる単語の英語の音(アルファベット)同士が法則に基づいて繋がり、連結音として発音されることを意味します。

「リエゾン」と呼ばれることもありますが、リンキングとほぼ同じ意味合いです。

英語に限らず多くの言語でリンキングは起きますが、基本的に日本語の発音にはない概念なので、日本人にとってはやや難しく感じるかもしれません。

リンキングを習得するメリット

リンキングを習得するメリットを、以下の2点に絞って解説していきます。

①リスニング力が向上する
②スムーズに話せるようになる

①リスニング力が向上する

リンキングを習得するメリットの1つとして、リスニング力の向上が挙げられます。

英語でリンキングするのは、ある程度速いスピードで、流れるように話したときです。ゆっくりと1単語ずつ区切って発音した場合、リエゾンはしません。

また、1単語ずつはっきり発音した音と、速いスピードでリンキングした音では、全く違う聞こえ方になるものも多く存在します。

つまり、リンキングした英語の音を知らないと、その音を認識できないために聞き取れないということが出てきます。

また、聞いている英語が速く聞こえるので、頭の中で「どうしよう!」となってしまう方も多いでしょう。

逆にリンキングを習得することで連結音を認識できるようになるので、今まで聞き取れなかったネイティブスピーカーの流れる英語も聞こえやすくなります。

速いと感じていた流れるような英語も、リンキングがわかることで対応できるようになるでしょう。

リスニング時に聞き取れないことが多いと感じている方は、ぜひ英語のリンキングを学んでみてください。

②スムーズに話せるようになる

英語のリンキングを習得するメリットの2つめは、スムーズに話せるようになることです。

リンキングしないで英語を話そうとすると、それぞれの単語がぶつ切り状態になるため、リズム感のない話し方になります。

一方でリンキングした場合、単語同士の音が繋がるので英語特有のリズムで流れるように話せます。

相手が聞きやすいだけでなく、テンポ感良く言いたいことを相手に伝えられるようになるのもポイントです。

ちなみに『リンキング』を細かく分類すると、以下のようになります。

リンキング(連結) 2つの音がつながる音声変化
リダクション(脱落) 音が発音されず、省略される音声変化
アシミレーション(同化) 2つの音がつながって、新たな音になる音声変

リンキング5つの法則

リンキングには以下のように、5つの法則があります。

法則① 基本は子音+母音
法則② 子音+y 特にyouには注意
法則③ 母音+母音
法則④ inやonなどの短い前置詞との結合
法則⑤ 同じような子音が続く場合

これらを理解することで、ネイティブの発音も分かるようになりますので、学んでいくことが大切です。

詳しく解説していきましょう!

法則① 基本は子音+母音

ルール:前の単語の最後の音が子音+その直後の単語のはじめの音が母音

例文:「How are you?」

誰もが「ハワユー?」と発音すると思いますが、こちらも“”w””と””a””がリンキングし/wə/【ワ】という発音になっています。
子音+母音ならほぼ確実にリンキングが起こります。

ただし、子音+母音だからといって自己流でリンキングを作るのは避けましょう。聞き取ってもらえない原因にもなりますので注意が必要です。

法則② 子音+y 特にyouには注意

ルール:子音で終わる単語+yで始まる単語 特に次の単語が””you””の場合

例文:「Can you~?」「I need you.」など。

“”you””は英会話においては何度も使われます。

そして頻繁にリンキングが起こる単語でもあります。

先に挙げた「Can you~?」を例にとると、“”n””と””y””のリンキングにより/n‿yә/【ニュー】となります。

特に””k””、””n””、””t””、””d””、””s””、””z”” と””y””は繋がることを覚えておきましょう。

発音する際も””you””のまえの単語を注視するように気をつけると良いです。

法則③ 母音+母音

ルール:母音で終わる単語+母音で始まる単語の組み合わせ。

例文:「the end」「go on」

母音から母音へとつながる場合には””y””または””w””の音が挿入されます。

””y””が挿入される例としては「the end」→「ディ ィエンド」で、””y””の前の母音が””a””、””e””、””i””である場合、続く母音の前に軽く””y””の音が入ります。

“”w””が挿入される例としては「go on」→「ゴー ゥオン」で、””o””、””u””である場合、続く母音の前に軽く””w””の音が入ります。

法則④ inやonなどの短い前置詞との結合

ルール:子音で終わる単語+母音で始まる前置詞

例文:「come on」「in front of」

前置詞がつながる場合はリンキングされると一瞬で発音が終わるため聞き取りが難しいです。

例えば「Come on.」という単語ですが、こちらは「カム オン」ではなく「カモン」と読みます。

“”on””、””in””、””and””は発音されると””n””だけしか聞き取れないため判別が特に困難になります。

他の例としては「in front of」があり、「インフロンタ(ト)ブ」と発音します。

こちらは””of””の発音が残っているため、やや聞き取りやすいでしょう。

法則⑤ 同じような子音が続く場合

ルール:同一子音や似たような子音が続く場合は、重なってひとつの音が脱落します。

例文:「beautiful land」「good toy」

同一子音が続く例としては「beautiful land」が挙げられ、前後に続く“”l””が同時に発音され/bjúːṭɪf(ə)lǽnd/となります。

似たような子音としては””t””と””d””と””th””、””s””と””z””、””f””と””v””などが挙げられます。

例としては「good toy」が挙げられ、こちらも””d””と””t””がリンキングして/gutˈɔɪ/となります。


【まとめ】

この記事では、英語初心者がつまずきやすい「リンキング」の基本的なルールと学習方法について紹介しました。

リンキングを学習すると、

  • 英語のリスニング力が向上する
  • 正しい発音が身につく
  • 英語力に自信を持てるようになる

これらのことが期待できます。

ぜひこの機会にリンキングを学習して、英語のリスニング力とスピーキン力の向上を目指しましょう。

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