VIVANTは、複雑な陰謀と家族の絆が交錯する物語の名前です。
このテレビドラマは、バルカ共和国で展開されるエネルギー事業の誤送金から始まり、主人公乃木憂助(演じる堺雅人)がその深淵なる謎に挑む姿を描きます。
彼の父親であるテントのリーダー、乃木卓(役所広司)との複雑な関係、そして公安部の野崎守(阿部寛)との協力関係が、物語をさらに複雑にします。
この序文では、物語の軸となる要素と、登場人物の関係性を示しています。
【要約】
- バルカでの誤送金:エネルギー事業とテロの脅威
- 乃木憂助の家族:父との複雑な絆
- 別班と公安部:協力と裏切りの狭間
Contents
VIVANTとは?
「VIVANT」は、2023年7月16日から9月17日までTBS系の「日曜劇場」枠で放送されたテレビドラマであり、主演は堺雅人でした。
登場人物
1:乃木憂助:堺雅人
別班
丸菱商事・エネルギー事業部2課課長
2: 野崎守:阿部寛
警視庁公安部・外事第4課
3: 柚木薫:二階堂ふみ
世界医療機構・医師
4: 黒須駿:松坂桃李
別班
5: ノゴーン・ベキ:役所広司
テントのリーダー
憂助の父・乃木卓
6: ノコル:二宮和也
テントのナンバー2
あらすじ-誤送金編(第1話〜第4話)
第1話
2023年2月9日、中央アジアのバルカ共和国で太陽エネルギープラント事業を進める丸菱商事が、現地のインフラ会社・GFL社に1億ドルの誤送金を行った。
エネルギー開発事業部の乃木憂助はこの問題に関与を疑われ、1か月以内に差額の9千万ドルを回収するためにバルカに向かうこととなった。
GFL社の社長アリ・カーンに返金を拒否された乃木は、CIAの友人サムの協力を得て、テロリストのアル=ザイールが契約金を全額ダイヤモンドにロンダリングし、それを持ち出した情報を手に入れる。
彼が潜伏するとされるアマン建設に向かう途中、タクシー運転手に砂漠に置き去りにされ、力尽きて意識を失う。
アディエルとジャミーン親子に介抱された乃木は、ザイールとの対面を果たすが、ザイールは返金を拒否し、謎の言葉「お前がVIVANTか?」を告げ、自爆の道連れにしようとする。
乃木は警視庁公安部の野崎守に救出されるが、爆発に巻き込まれ負傷する。
病院に搬送された乃木と野崎は、WHIの医師柚木薫と共に爆破事件の重要参考人としてバルカ警察のチンギスに追われる。
一行は協力者ドラムの助けを得て、遊牧民を装い、バルカで唯一の安全地帯である日本大使館に逃げ込む。
第2話
誤送金問題に関して、テロ組織テントのモニター(潜伏工作員)が丸菱商事にいる可能性を疑う野崎は、乃木と共同で作戦を立て、謎の言葉「VIVANT」を「別班(BEPPAN)」と推理する。
日本大使館の極秘トンネルを利用してロシアへの脱出を試みた乃木たちは、駐バルカ共和国特命全権大使の西岡英子の裏切りに遭い、身柄を拘束されそうになる。
しかし、ドラムや大使館の通訳ナジュムらの助けを得て大使館を脱出し、新たなルートでの帰国を試みる。
しかし、父の死を知り病院から抜け出したジャミーンを看護する間に国境の警備が強化され、一行はアド砂漠を越えるルートを選択する。
乃木たちはキャラバンを装い、死の砂漠を横断しようとするが、途中で柚木が忽然と姿を消してしまう。
第3話
8時間の猶予を得た乃木は、片道4時間の制限時間が迫る中、砂漠に埋もれた柚木を見つけ出す。
ラクダが進行を停止したため、乃木は柚木を背負い引き返すことになるが、倒れかけたところを野崎に救われる。
乃木たちは砂漠を越えてモンゴル国境に到達するが、バルカ警察に拘束される。
しかし、公安部の新庄浩太郎やモンゴル国境警備隊の援助で解放され、帰国の準備を進める。
帰国後、乃木と野崎はサイバー犯罪対策課の東条翔太や乃木の同期である山本巧の協力を得て、サーバールームからデータを回収する。
その結果、財務部の太田梨歩が送金プログラムを改ざんしていたことが発覚する。
第4話
太田の自宅から押収された品物を元に、公安は彼女が凄腕ハッカー・ブルーウォーカーであると断定する。
私欲のためには動かないはずのブルーウォーカーのハッキング記録に国家機密が確認され、公安は太田を操る黒幕が存在すると疑う。
ある日、来日したジャミーンの写真に偶然、軍服姿の山本を発見した乃木は、彼がテントのモニターであることに気づく。
乃木の情報に基づき、公安は山本を尾行するが、テントのモニターを自称する黒須駿に匿われて見失う。
黒須に騙され拘束された山本は、乃木から別班であることを告げられ、自白剤を投与される。
山本はGFL社のアリが日本担当のテントの幹部であり、最後の標的が日本であると自白し、自○に見せかけて排除される。
あらすじ-宿命編(第5話〜第10話)
第5話
山本の自○現場の防犯カメラが使用不能であったことに疑問を抱いた野崎は、山本をテントのモニターと知る乃木を疑い、FBIの捜査官ロバートに情報提供を依頼する。
そして、乃木が高校時代に丹後隼人の名で私立のミリタリースクールに留学し、首席で卒業したことを突き止め、再度バルカに渡ってチンギスと共同で捜査を行う。
カメラの映像解析から、乃木が別班の工作員であると確信する。
帰国した野崎は乃木の経歴を調査し、京都府舞鶴市の養護施設で少年時代を過ごし、島根県奥出雲町で乃木家の家紋とテントのマークが酷似していることを確認する。
一方、乃木はウランバートルに潜伏していたアリを脅迫し、テントの創設者ノゴーン・ベキが、自分の父である乃木卓である真相に辿り着く。
第6話
サウジアラビアのホテルで人生を振り返る乃木は、もう一つの人格Fから父・卓を「家族」として受け入れるか、「日本の脅威」として戦うかの選択を迫られる。
その頃、公安部長の佐野雄太郎に、乃木の父・卓がテントのリーダーであり、組織のマークと乃木家の家紋が類似していることを報告した野崎は、彼から卓は元公安部外事1課であることを明かされる。
1億円で保釈され、黒須から国防の任務を受けた太田は、アリから入手した通信暗号キーでテントのサーバー解析を試みるが、黒須を山本の仲間と疑い、パスワードロックを仕掛け自○しようとする。
乃木と黒須は山本排除の証拠を示し、誤解を解き、データを入手する。
別班の司令・櫻井里美は国家危機を防ぐために、経済産業省主催の風力発電事業入札会場に乃木や黒須ら6名の精鋭部隊を招集する。
第7話
テントの通信記録の解析により、ロシアの反政府組織ヴォスタニアとテントのナンバー2であるノコルが、3月27日にバルカのロシア国境付近で会合することが判明し、乃木をリーダーとする別班のエリート部隊がバルカへと向かうことになる。
乃木たちはヴォスタニアの兵士たちを奇襲し、彼らに成りすましてテントと接触する。
乃木はノコルを捕らえるが、突如として他の別班員を狙撃し、「自分はベキの息子だ」と告白する。
警察が到着する中で、ノコルは乃木と負傷した黒須をテントのアジトへと連行する。
牢に収容された黒須は、父親のベキに会いたい一心で仲間を攻撃したと告白する乃木に激怒し、仲間や祖国を裏切った彼を糾弾する。
その時、テントのリーダーであるベキが姿を現し、乃木は40年ぶりに父と再会する。
第8話
ベキは別班を裏切った証として、乃木に黒須の射殺を命じる。
乃木は黒須を撃ち損じ、弾切れに陥るが、その際に乃木に銃撃された他の別班員の棺が航空機に搭載されるという情報が入り、ベキは乃木を制止する。
ポリグラフ検査機(ウソ発見器)を使って別班の情報を尋問された乃木は、ノコルによって幼少期の話を求められ、息子と別れた状況と一致したため、DNA検査が命じられる。
検査の結果、乃木はベキの息子・憂助であることが判明し、黒須は別の場所へと連行される。
乃木は様々な知識を試され、IQ137と判明すると、ベキは彼を利用するためにテントの裏帳簿を開示する。
その裏帳簿から、テントが運営する民間軍事会社が金銭目的でテロ活動や犯罪を請け負い、その収益が複数の孤児院の運営費に充てられていたことが判明する。
孤児院の一つで院長の横領を見抜き、ベキから信頼を得て、ノコルと同じ純白のデールを授けられた乃木は、ノコルに資源開発会社ムルーデルの経費削減を命じられる。
収支報告から、乃木はテントが3年前からバルカ北西部の土地購入のため、大規模なテロを請け負うようになったことを知る。
第9話
バルカ北西部の土地買収に関する調査中、乃木はベキから、地震によって生じた地割れの200メートル地下に純度99パーセントのフローライトの鉱脈を発見したことを告げられる。
この鉱脈を利用して、政府や外資よりも先に土地を入手し、採掘資源の売却益で孤児院を運営する計画が明かされる。
乃木は、別班の資金調達を賄う黒須が所持する企業の機密情報を利用し、テロ活動ではなく信用取引で土地買収の費用を調達することを提案し、ベキの要望に応え、資金の調達に成功する。
また、本当の家族となる理解を深めるために、乃木はテントの歴史を尋ねる。ベキは、妻の明美との出会いからテントが創設された経緯を語り始め、過去に公安や日本を恨んでいたが、その復讐にテロの最終標的を日本とする意図はないと乃木に語る。
一方、テントの上層部と採掘の共同出資者であるノコルの親友であるゴビだけが知るはずのフローライトの鉱脈が、バルカの国土交通省に漏洩していたことが判明する。
ノコルたちは乃木の出現を境に情報が漏洩し、また、乃木が始末したはずの4名の別班員が日本でリハビリを受けていると判明したことから、乃木を縛り上げ尋問する。
別班の任務としてテントに来たのかと問うベキに、Fは言うなと制止されるも、乃木はそれを認める。息子の裏切りに、ベキは刀を振り下ろす。
第10話(最終話)
ベキは日本刀で乃木の縄を切り、拘束を解くように指示する。
一同は驚き、ノコルがなぜ裏切り者を助けるのかと問うと、ベキは乃木の特技から彼が味方をも欺きテントへ潜入捜査を行っていると見破り、乃木と黒須をわざと生かしていたと話す。
バルカ渡航前、ベキの写真を見たジャミーンに「優しい人」と教えられたことでテントの本質を探る必要性を感じた乃木は、二重スパイとなるヒントを野崎に送り、潜入のため狙撃した別班員の治療を託していた。
ベキに助力の意思を訪ねられた乃木は、テントがフローライトの採掘権を入手すればテロの請負をやめると考え、採掘権の獲得に別班として協力すると表明する。
外務大臣のワニズは、フローライトの採掘権の25パーセントを政府や技術提携したオリベ化学に分配すれば、採掘ノウハウと販売ルートを無償提供するとノコルに持ち掛ける。
しかし契約が締結されると、ワニズは内通者のゴビを引き込み、政府・ベレール興産・オリベ化学の合計55パーセントの採掘権で政府主導の開発を主張する。
しかし、事態を想定済みのノコルは、オリベ化学の判断を握る西岡を取り込み、合計60パーセントの採掘権を主張し権利を取り戻す。
ワニズはムルーデルとテントの関係を持ち出し、テロ組織が関与する開発を世界が認めるわけがなく、武力行使しても奪い取ると本性を現す。
するとベキが現れ、バルカは宗教民族の違いを認め合い、国民に富が平等に渡るよう新たな一歩を踏み出すと宣言される。
検事総長と法務大臣の力添えを得た孤児院出身のチンギスは、野崎が盗撮した西岡から裏金を受け取る映像を証拠に、ワニズを収賄教唆、強要の容疑で逮捕する。
野崎に西岡への交渉を依頼する交換条件に公安への投降を約束していたベキはテントの解体を宣言し日本に移送されるが、テントのモニターであった公安の新庄の手引きで逃亡する。
ベキは40年前、バルカ内乱時に脱出用ヘリコプターを退避させた当時公安部外事課課長であった内閣官房副長官の上原史郎の邸宅を復讐のためバトラカ、ピヨと襲撃する。
しかしそのことを察知した乃木に狙撃され、ベキは阻止した乃木に「お前は私の誇りだ」と言い残す。
ノコルは、上原の排除に使用した拳銃に弾丸が装填されていなかったことを乃木から聞かされ、彼は死を覚悟していたと明かす。
その後、ノコルは乃木に対し、バルカにベキの墓を建てる考えを告げるが、乃木は「皇天親無く惟徳を是輔く」と述べ、花を手向けるのはまだ先のことだと答える。
一方、野崎は上原邸から美術品が引き上げられ、昨夜の自邸の火災がベキたちが自○を試みたものとされているため、上原に口裏を合わせるよう要請していた。
【まとめ】
- バルカでの誤送金:エネルギー事業とテロの脅威
- 乃木憂助の家族:父との複雑な絆
- 別班と公安部:協力と裏切りの狭間
「VIVANT」は家族の絆と国際的な陰謀が交錯する緊迫した物語です。
バルカでの誤送金事件から始まり、主人公乃木憂助が父との複雑な関係に直面します。
公安部と別班の協力と裏切りが物語を進展させ、最終的には家族の絆が勝利します。
テロや謀略に満ちた世界で、信頼と絆がいかに重要かを描きます。
この物語は、視聴者に国際政治と人間の心理について考えさせると同時に、家族の大切さを再認識させます。
【脚注】
最後まで記事を見て頂きありがとうございます。