英語の発音を練習してるが、なかなか上手くなった実感が湧かないという方は少なくないはずです。
日本語の癖が障壁となって英語発音の上達を妨げています。
今回は、正しい母音の発音の仕方をかいせつしていきます。
【要約】
- 同じ口の構えを保ったまま発音されるのが単母音
- 二重母音の発音のコツは、最初の母音の方が長く大きく、次の母音は短く小さく発音する
- 三重母音は、後にくる母音は添えるように発音する
Contents
単母音
単母音(Simple Vowel)と呼ばれる音(注:「短母音」と読みは同じでも意味が違うので注意)は、その音が発せられる最初から最後までを通じて、調音器官(唇、歯、舌など)に動きがないものを指します。
音の長い短いに関係なく、音の出し始めから出し終わりまでを通じて「同じ口の構え」を保ったまま発音されるのが単母音です。
æ
『æ』は、非円唇前舌狭めの広母音(ひえんしんまえじた・せまめのひろぼいん)の部類に入ります。
【発音方法】
舌の先が下の歯の付け根に触った状態を保ち、同時に、口を縦に人差し指の幅一本半分を開き、声を出すと、[æ] が発音できます。
ʌ
『ʌ』は、非円唇後舌半広母音(ひえんしんあとじた・はんひろぼいん)の部類に入ります。
第1次基本母音の円唇後舌半広母音 『ɔ』の舌の形で、唇の丸みをとった非円唇母音で発音したものです。
舌の最も高い位置が最も後ろにある後舌母音であり、口の開きによる音の違いを4等分して定められた音のうち2番目に広い半広母音です。
【発音方法】
口の奥の方で発音し、口はあまり開けず、大体、人差し指の幅ぐらい開きます。
つまったような感じで、吐き出すようにして短く「ア」と発声します。
あまり力をいれず発音し、思い出した時に思わずでるような「あっ」に似てる音とも言われています。
ɑ
非円唇後舌広母音(ひえんしん・あとじた・ひろぼいん)は母音の種類の一つで、基本母音の第5番です。
開後舌非円唇母音(かい・あとじた・ひえんしんぼいん)とも言います。
唇の丸みを伴わない非円唇母音で、舌の最も高い位置が最も後ろにある後舌母音であり、舌が最も上あごから離れた広母音です。
【発音方法】
口を縦に、指の幅二本分開けて、顔の(頬などの)筋肉には力を入れず、あごの力だけで口をあけるようにしま口を開けるときは、顔の力は抜き、下あごを降ろすように開けます。
力を込めてあごを引き下げる必要はありません。
口を指2本分ほど開け、そのまま「お」と言ってみましょう。口を縦に開いたまま「お」の音を出そうとすると、想定した通りの「お」の音とは少し違った、「あ」と「お」の中間のような音が出るはずです。
これが 『ɑ』の発音です。
ə(Schwa)
『ə』は、音素として「中舌中央母音」または「曖昧母音」を指しており、同じ記号で表記されていても、両者は異なります。
・中舌中央母音
一つは国際音声記号によって定められた中舌で口の開きの度合いも中間的な中央母音 『ə』を指します。
これを中舌中央母音(なかじた・ちゅうおうぼいん)または中段中舌母音(ちゅうだん・なかじたぼいん)と言います。
・曖昧母音
もう一つは曖昧母音(あいまいぼいん)とも呼ばれ、各言語において見られるはっきりとした特徴のない中性的な母音のことをいいます。
日本語に該当する発音はなく、日本人にとって発音をすることが非常に難しいとされています。
さらに『ə』は 早く・小さく発音されることが多いのが特徴です。
【発音方法】
『æ』と異なり、あごを少しだけ下げます。
他の母音と同様に舌先を前方に向けたままにし、口をやや丸めた状態でリラックスした状態発音します。
ɔ
円唇後舌半広母音(えんしん あとじた はんひろぼいん)は母音の種類の一つで、基本母音の第6番です。
半開後舌円唇母音(はんかい あとじた えんしんぼいん)とも呼ばれており、国際音声記号では 『ɔ』と書きます。
【発音方法】
軽くあくびをするような要領で、のどの奥を広げると、自然に舌先の位置が少しだけ後ろに下がります。
のどの奥を少し広げたままの状態で、上下の歯の間を人差し指の幅(太さ)1本分だけ開きます。
口の開け方の程度を把握できるまでは、実際に指を口に突っ込んで測ってみるとよいでしょう。
口とのどを開き、歯を指1本分だけ広げ、それと同時に、上下の唇も指につくようにすると、自然に唇全体が少し丸くなります。
顔の筋肉はこわばらせず、力を抜きましょう。
舌、歯、唇の正しい位置が作れたら、そのまま「ɔ」と声に出してみましょう。
u(ʊ)
この文字が表す音素は、おおむね円唇後舌狭母音/u/ないしその類似音であり、稀に単独の子音を表す場合もあります。
【発音方法】
まず、唇を丸めて「うお」と言ってみましょう。
「お」のときの口は、指の幅の半分ぐらい開いた状態になっているはずです。
この「お」の口の形を維持したまま、口腔内だけ使って「う」の音を発声し、唇の形が「お」のまま「う」の音を出そうとすると、舌の後ろ(付け根側)が少し持ち上がるはずです。
この舌の動きがポイントで、音は「う」と「
uː(u)
円唇後舌狭母音(えんしん・あとじた・せまぼいん)は母音の種類の一つで、基本母音の第8番で狭後舌円唇母音(せま・あとじた・えんしんぼいん)ともいいいます。
国際音声記号では [u] と書きます。
【発音方法】
『uː』は日本語の「ウー」に似ているが、舌と唇の筋肉が緊張する緊張母音 = tense vowel です。
日本語の「ウ」よりも唇を相当丸めてすぼめるつもりで発音し、『uː』の方が 『ʊ』よりも唇の丸まりが強いです。
e
非円唇前舌半狭母音(ひえんしん・まえじた・はんせまぼいん)は母音の種類の一つで、基本母音の第2番です。
半狭前舌非円唇母音(はんせま・まえじた・ひえんしんぼいん)ともいい、国際音声記号では [e] と書きます。
【発音方法】
唇を自然に開いた状態で、舌の最も高い位置が舌先付近にくるようにし、舌と上あごの感覚を中くらいにとって発音します。
ɪ
非円唇前舌狭母音(ひえんしん・まえじた・せまぼいん)は母音の種類の一つで、基本母音の第1番です。
狭前舌非円唇母音(せま・まえじた・ひえんしんぼいん)とも言います。
『発音方法』
日本語の「イ」よりも横に広めに口を開けて、「イ」と「エ」の中間の音を出します。
i
非円唇前舌め広めの狭母音(ひえんしん・まえじため・ひろめのせまぼいん)は母音の種類の一つです。
準狭準前舌非円唇母音(じゅんせま・じゅんまえじた・ひえんしんぼいん)ともいう。国際音声記号では 『ɪ』と書きます。
【発音方法】
唇を横に引き、上下の歯を軽く触れ合うくらいの配置にして、「イー」と発音します。
二重母音
Diphthongs(二重母音)は、2つの文字(2つの母音、または母音と子音のつづり)でできた母音のことで、2つの文字が結合され、1つの音として発音されます。
日本語には二重母音という考え方がありません。
例えば日本語の「愛」という言葉。
読み仮名をつけるなら「ア・イ」と2音節となりそれぞれの母音を同じ強さで読みます。
英語の「I」(私)は「アイ」となり1音節で発音します。これが英語の二重母音なのです。
発音のコツとしては「最初の母音の方が長く大きく、次の母音は短く小さく発音する」です。
また、二重母音は比較的日本人にとっては発音しやすい音と言われていますが、似通った発音の単語の場合、二重母音を長母音で発音してしまうと、全く別の意味になってしまう場合もあるので注意が必要です。
aɪ
最初の母音を長音で読む(後の母音は弱く発音)
綴り字は"i", "y", "ie"
- ice /aɪs/ 氷
- life /laɪf/ 生命
- five /faɪv/ 5
- cry /kraɪ/ 叫ぶ
eɪ
両方の母音を短音で続けて読む(最初のエの方が強め)
綴り字は"a", "ai", "ay", "ei", "ey"
- eight /eɪt/ 8
- aid /eɪd/ 助ける
- vague /veɪg/ 漠然とした
- play /pleɪ/ 遊ぶ
ɔɪ
少し口を開きめにして「オイ」と発音されます。
綴り字は"oi", "oy"
- voice /vɔɪs/ 声
- noise /nɔɪz/ 音
- toy /tɔɪ/ おもちゃ
- oil /ɔɪl/ 油
aʊ
綴り字は"ou", "ow"
- out /aʊt/ 外に
- house /haʊs/ 家
- cow /k
- aʊ/ 雌牛
oʊ又は、əʊ
日本語の「オ」より少し口を丸めて「オウ」と発音されます。
「オー」/ɔː/ ではないことに注意
綴り字は"o", "oa", "ow"
- own /oʊn/ 自身の
- hope /hoʊp/ 望み
- go /goʊ/ 行く
/oʊ/と/ɔː/は地味ですがとても間違えやすい発音です。
区別に注意が必要な単語がありますので幾つかご紹介します!
発音で意味が違ってしまうので注意しましょう!
三重母音
三重母音は、例としては、fire, tire, wire などに現れる/aɪɚ/の音、our, hour などに現れる/aʊɚ/などがあります。
それぞれ第一要素の/a/がしっかりと発音されるのだが、それに続く第二要素、第三要素は添え物のような働きです。
auər
- 指2本を縦にして入るくらい口を開けます。
- 舌に力を入れず、喉のあたりから「ア」と強く声を出します。
- 間を空けずに、口を少し閉じます。
- その状態から唇を日本語の「オ」の形にします。
- 次に唇を突き出します。
- 喉から弱く「ウ」と言います。
- また間を空けずに、舌を丸め喉のあたりから、弱く「ア」と言います。
- すると母音[auər]になります。
aiər
- 指2本を縦にして入るくらい口を開けます。
- 舌に力を入れず、喉のあたりから「ア」と強く声を出します。
- 間を空けずに、小指を歯で挟んだくらいまで口を閉じます。
- 喉のあたりから、弱く「イ」と言います。
- また間を空けずに、舌を丸め喉のあたりから、弱く「ア」と言います。
- すると母音[aiər]になります。
【まとめ】
- 同じ口の構えを保ったまま発音されるのが単母音
- 二重母音の発音のコツは、最初の母音の方が長く大きく、次の母音は短く小さく発音する
- 三重母音は、後にくる母音は添えるように発音する
二重母音や三重母音は日本語の概念にはない音ですので、しっかりと理解していきましょう。
母音編を理解した後は、ぜひ子音の発音方法もマスターしていきましょう!